フィリピンには独自の英語表現がある

フィリピン人の英語力が高いのは世界的にも有名で、第一言語が英語ではない国を対象とした、英語力ランキングではアジアで常にトップです。フィリピン人は標準的なアメリカ英語のアクセントで英語を話します。国の公用語がフィリピン語(タガログ語)と英語ということもあってメディアや公文書、ビジネス、教育はほとんどが英語で行われています。実際にフィリピンのセブで生活していても、少し英語を話すことができれば、仕事や日常生活で苦労することはほぼありません。ほとんどのフィリピン人は日本人より英語力が上なので、こちらが間違えなければ難しい単語もきちんと通じます。

アメリカやイギリス、オーストラリアなど英語を母国語とする国でも、国によって表現方法やアクセントが変わるように、フィリピン英語にも独自の表現があります。セブで覚えた言葉が標準だと思っていたら実は違っていたなんてこともあるわけです。

トイレ=CR

フィリピンではトイレのことを「CR」と呼びます。「CR」とは「comfort room」の略称です。「bath room」や「toilet」、「rest room」でも通じますが、フィリピン人がトイレの事をCR以外の呼び方をしているのは見たことがありません。なので、フィリピン人と話しているときに「bath room」や「rest room」を使うと聞きなれていない言葉なので聞き返されることが多いです。トイレについて話すときは「CR」を使うのが一番スムーズに通じます。レストランや公共施設、ショッピングモールなどでトイレがどこか尋ねるときは、「where is the CR?」と聞いてみましょう。

渋滞=Traffic

一般的に英語で「Traffic」というと、交通量や路上の車の流れを意味しており、渋滞は「heavy traffic」「traffic jam」といいます。しかし、ここフィリピンでは「Traffic=渋滞」という意味になり、「今日は道が渋滞している」と表現すると「the street is traffic today」となります。フィリピンに来たばかりだと、タクシーの運転手がしきりに「traffic」と言っているのが何のことかよくわからないということもありますが、タクシーの運転手だけでなくフィリピン人は皆「Traffic=渋滞」なので、フィリピンに住む日本人もほとんどがそれに合わせて「Traffic」という言葉を使っています。

停電=Brown out

フィリピンにおいて停電は「Brown out」といいます。一般的な英語だと停電は「blackout」といいます。「Power outage」ということもあるみたいです。「Brown out」本来の意味は電圧低下だそうです。フィリピンでは「Brown out」という言葉をよく耳にします。日本と違って停電はよく起こる身近なものだからです。原因は様々ですが、大型トラックが電線を引っかけて切ってしまったなど、日本では絶対に起こりえない理由で停電したりします。

エアコン=Aircon

日本ではエアーコンディショナーを略してエアコンと呼びますよね。一般的な英語ではエアコンという略し方はせず、そのまま「air conditioner」もしくは「AC」と略して使います。しかし、フィリピンでは日本と同じように「Aircon」と略して呼ぶのが一般的で、現地の不動産情報サイトでも「Aircon」という呼称が使われています。

(Iwabuchi)