セブのビジネス街ITパークとは
ITパークは名前の通り、セブシティの中心地に位置するIT産業の特別区。近代的なビルが立ち並ぶ最先端のビジネスエリアです。2000年にフィリピン政府からIT特区としての認可を受けました。日系企業を含む外資系IT企業が、オフショア開発やITアウトソーシング、コールセンターなどの拠点を数多く構えています。
フィリピン人は高い英語力を持っていることに加え人件費が安いので、海外のグローバル企業の業務にも難なく低コストで対応することができます。ITアウトソーシングやBPO、コールセンターなどの事業に関しては、現在フィリピンが世界1位となっており、目まぐるしいフィリピンの経済発展を支えています。また、ITパークは外資系企業が多いため、フィリピン人だけでなく多くの外国人が働くエリアです。
高層ビルが立ち並び、ビジネス街としてのイメージが強いITパークですが、企業オフィスだけではなく飲食店やショッピングモール、カラオケ、バー、語学学校、コンドミニアムなどもあり、ITパークの中だけでも生活ができます。
ITパークの飲食店
ITパークは様々な国から人材が集まるオフィス街なので、レストランなどの飲食店も豊富で、70以上の店舗が集まっています。クオリティの高い日本食レストランもあり、そのほか、フィリピン料理、イタリアン、アメリカンフード、ベトナム料理、韓国料理、インドカレー、ピザ、メキシコ料理、中華料理、ケバブなど、あらゆる国の料理が食べられる飲食店が揃っています。
ITパーク内の広場では、毎週木曜~日曜に「スグボ・メルカド」というナイトマーケットがオープンします。安くておいしいフード屋台が並ぶので、フィリピンで屋台の食べ歩きがしたい人におすすめです。フィリピンのローカル屋台は、衛生的に問題があるところも多いのですが、ITパークのナイトマーケットの屋台は、電気や水道のインフラもきちんと整備されているのでとても清潔です。
ITパークの歴史
現在では、フィリピン国内屈指のオフィス街として近代的なビルが立ち並ぶITパークですが、70年以上前に日本とアメリカがまだ戦争をしていた頃、旧日本海軍航空隊の飛行場があった場所だそうです。2つの入り口から長くて広い舗装路が伸びており、2本の長い道を細い道がつなぐ碁盤の目のような地形になっていますが、この2本の長い道が滑走路の名残とのことです。諸説ありますが、日本で最初の神風特攻隊が飛び立ったのがこの飛行場だといわれています。セブには現在多くの日本人が暮らしていますが、ITパークが昔旧日本海軍の基地だったことを知る人はあまり多くないです。
ITパークのコンドミニアム
ITパークとその周辺は、外国人労働者と語学学校の留学生向けにコンドミニアムが集中しています。フィリピンで外国人が住むとなれば、多くの場合コンドミニアムになります。日本でいうと、ジムやプールが完備されているタワーマンションのようなものなので、セキュリティもしっかりしており、場所によってはランドリーサービスやコンビニがあるところもあります。便利な場所なので、ほかの地域に比べると多少家賃は高くなりますが、ITパークで働く人は職場も近いので、とても快適に暮らすことができます。
ITパークの治安
セブは日本と比べると危険な場所も多く治安も悪いですが、ITパーク内には24時間体制で営業しているオフィスも多いため、夜でも街頭やオフィスビルの明かりで完全に真っ暗にはなりません。常駐している警備員もいるため、セブの中では治安の良い地域と言われています。
しかし、過去には殺人事件や日本人を狙った強盗も起きています。ITパークで働く人は、平均的なフィリピン人より所得が高ことをセブの人なら誰でも知っているので、金銭目的の犯罪が多いそうです。暗くてひと気の無い、いかにも危険な雰囲気な場所には近付かず、できるだけ夜は1人で出歩かないなど最低限の注意は必要です。
(Iwabuchi)