常夏の島、セブ島。そんなセブ島も10月ぐらいからほんの少し気温が下がります。最高気温は変わりませんが、最低気温が24度になります。外を歩くたび体中が汗で濡れる事はなくなり、過ごしやすい季節です。日本の様なはっきりとした季節の移り変わりはありませんが、涼しくなるにつれクリスマスのシーズンが近づいて来るのを感じます。こちらでは他の国より早く10月からクリスマスの準備が始まります。11月前半にはショッピングモールにクリスマスツリーが飾られています。今回はセブのクリスマスについて書いてみます。

ショッピングモールのクリスマスツリー

クリスマスとは12月25日、イエス・キリストの誕生日として祝うための行事です。フィリピンではキリスト教(カトリック教)が国教ですので、12月25日に教会に行き、お祈りをし、家族と過ごします。日本によくある、恋人と過ごすような事はありません。したがって12月24日はクリスマスイブですが、日本ほど意識はされていないようです。サンタクロースの事は知っているようですが、家庭の経済状況によって異なるようです。また、フィリピンでは12月25日は祝日となります。フィリピン人にとっては故郷に帰り、家族と過ごす貴重な時間となりますが、外国人観光客、留学生にとっては必ずしも都合がいいとは限りません。ショッピングモールはすべて閉店となり、マクドナルドなどのファーストフード店が営業しているだけです。せっかくのクリスマスですが、ほとんどお店が営業していないので、外出しない方がいいかもしれません。

語学学校では12月24日、12月25日は休校となり授業はなくなります。26日から28日までは、グループクラスのみ受けたい生徒だけ受講出来る学校もあるようですが、通常の授業は次の年の1月4日となります。
この12月のシーズンになりますと特に日本人の生徒はクリスマスに合わせて卒業する人が多いです。長期の6か月滞在といった長期の滞在者は年を越しますが、3か月程度の滞在者であれば、クリスマス前に卒業または26日から29日の間に卒業のスケジュールで来る方が多いようです。私の経験ですと定員150名の学校で9月は150名、10月から徐々に減り、12月のクリスマス前には30名ほどになり、クリスマス後には日本人5名、韓国人10名になりました。翌年の1月4日は25名の新入生が入校しました。

クリスマスの街の様子

私はというと、12月24日~25日のお休みを利用して彼女と一緒に彼女の実家に行ってクリスマスを過ごしました。場所はセブ島の西、トレド市です。2回目となりますが、前回は伯父さんの車で行きましたのでそこまで苦ではなかったのですが、この時はバンで行く事になりました。

夕方6時にサウス・バスターミナルに到着。私たちの様にセブ市から南に向かう乗客が列を作っていました。予想通り長い行列です。帰省ラッシュです。直ぐにバスは諦めて行列の少ないバンの列に並びました。並ぶことおよそ40分、運よく運転手の横の席を確保、2時間と少しでトレド市に到着しました。問題は市内から実家までの足です。田舎なので公共交通機関がありません。今回は、彼女の弟がバイクで迎えに来てくれました。

トレド市から40分かけて森の中を走りようやく家に着いた頃には、私は疲れ果てて寝てしまいました。何時ごろか忘れましたが、彼女の弟に起こされ彼女の両親に料理を振る舞ってもらいました。しかし、とにかく人が多い。どうやら親族のようですが、誰なのか、誰との関係性でここにいるのかわかりません。父親だけで10人兄弟、母親の親族と子供を含めると、とても覚えきれません。その後、お約束のお酒となりますが、それ以降の記憶は覚えていません。人生で初めてお酒で記憶がなくなりました。

ヤシの木に囲まれた一本道

次の日の朝、頭痛で目が覚めました。フラフラでしたが、午後には体調がよくなったので、外出することにしました。ヤシの木に囲まれた、海沿いの景色の綺麗な道をひたすら進み、近所のショッピングモールへと進んでいたのですが、突然のゲリラ豪雨で雨宿りをするはめに。どうやら、私は雨男のようです。1時間程待ちましたが、雨が止む気配もないため、雨に濡れながらようやくショッピングモールにたどり着きました。

家に戻る時間になってもまだ雨が止まず、迎えにくるはずの弟もいない。運悪く携帯電話を家に置いてきてしまったので、森の入口近くまでバイクタクシーを使い、そこから真っ暗な森の中をさまようはめに。道は舗装されていないため、雨で赤土がグチャグチャです。その道をひたすら歩き続けました。街灯がないとここまで暗いのかと、改めて街灯の偉大さを思い知らされました。歩くこと40分、暗闇から丸い光がこちらに向かって徐々に近づき、どこかで見覚えのある顔が私たちの顔を覗き込みました。彼女の弟です。行き違いがあったようです。後で知りましたが、たまたまトレド市が局地的な豪雨でした。セブ市では雨が降っていなかったそうです。

以上、質素なクリスマスとなってしまいましたが、これらがセブ島のクリスマスと私のクリスマスとなります。セブITアウトソーシングセンターからでした。

(kondo)