6月12日はフィリピンの独立記念日です。
独立記念日は、フィリピン独立における重要な役割を担った人物である、エミリオ アギナルド氏と深い関係があります。

アギナルド氏は、もともとマニラのカウイトという町の村長でした。スペインからの独立を目的に作られたカティブナンという秘密の組織メンバーに加わり活動をしていました。

カティブナンの内部抗争やスペインとの戦いを経ながらも、フィリピン第一共和国を設立し、大統領に就任することに成功します。しかし、真の独立とは程遠く、スペインと停戦条約を結び、スペイン側から補償金を得て香港へ亡命しました。

その後、スペインとアメリカの米西戦争が勃発した際に、アギナルドはアメリカがフィリピン独立運動を支持してくれると信じており、1898年6月12日にマニラでフィリピンの独立を宣言しました。

しかし、パリ講和会議でスペインがアメリカにフィリピンの領主権を受け渡していたことが後から判明し、支配者はスペインからアメリカへ変わりました。

さらに今度はアメリカと戦争をすることとなります。その最中にアギナルドは捕まり、第二次世界大戦時もアメリカの敵である日本を後押ししたとしてアメリカ軍に再び逮捕されてしまいます。

それでも諦めずにフィリピンの独立を支えていった結果、第二次世界大戦後の1946年、フィリピンはアメリカから独立し、フィリピン共和国が誕生しました。

本当の意味の独立はこの1946年7月4日といわれており、以前は独立記念日とされていた時もありました。しかし、1964年に6月12日に変更されてからは、この日が正式にフィリピンの独立記念日と定められました。

フィリピンの独立記念日は、各地でイベントが行われていますが、その中でも一番有名なのは、マニラにあるリーサル公園のイベントです。リサール公園はフィリピン独立活動の英雄である、ホセ・リサールの最後の地と言われています。

独立イベントでは、盛大なパレードが行われ、多くの観光客で賑わいます。リサール公園はフィリピン人であれば、誰でも知っている有名な場所なので、独立記念日ではなくても、連日、多くの人が足を運びます。

独立記念日は、フィリピン人にとって特別な日であり、町中で国旗が飾られているのを目にすることができます。フィリピンの国旗は赤、青、白の3色と太陽で成り立っています。

赤は勇気や愛国心、青は平和と正義、白は平等、そして黄色い太陽は自由を表しています。この旗を作ったのも、フィリピン独立で活躍したアギナルド氏といわれています。

フィリピン国旗

こうしたフィリピンの歴史を見ると、多くの国との関わりの中でフィリピン人の国民性や文化が右往左往しながら作り上げられてきたことが分かると思います。

(Hirata)