先日フィリピン総選挙が行われ、過激な発言から「フィリピン版トランプ氏」と言われているドゥテルテ氏が大統領に選出されました。現在中国と領有権を争うスカボロー礁について、「自らジェットスキーで出向いてフィリピン国旗を立ててやる」と言っている一方で、テレビ討論会では、「中国とは対話を持って問題解決に当たりたい」とも言っており、どっちが本心であるかは、少々疑問が残ります。

フィリピンは中国の南シナ海での問題をオランダ・ハーグの仲裁裁判所に申し立てしていますが、華人の血が流れるドゥテルテ氏がこの申し立てを取り下げないか少々心配ではあります。

いくつか疑問点は残るものの、ドゥテルテ氏の現在の平和なダバオ市を構築した手腕は高く評価されているのも事実です。実際にダバオ市に行ったことがありますが、町のいたるところに、軍人さんが配備されており、夜中に町を出歩いていても、全く怖い思いをした事はありませんでしたし、酒場でのトラブルもすぐに軍人さんがやってきてその場で鎮圧しているのを目にしました。

フィリピン国内の治安改善、汚職減少に関して、ダバオ市のように何とかしてくれるのでは?と期待しつつ、外交経験が無いドゥテルテ氏が、前任のアキノ氏が築いてきた日本との友好関係をどのように維持していくのかを見守りたいと思います。

Sato