ポイント2
ゴールの設定とタスクの委譲
フィリピン人エンジニアの生産性のばらつきを解消し均一化するために、出来るだけ細かく手順を決めて、決められた手順に従うようにトレーニングするべきだという考え方があります。製造業やファーストフード店では有効なかも知れませんが、フィリピンでのITプロジェクトの場合は必ずしもそうとは限りません。
まずソフトウェア開発では必ず仕様変更というものが存在するので、プロジェクト初期の段階で手順を決めてトレーニングしても、後で必ず修正する必要があります。また手順書に抜け漏れや間違いっ”ぽい”部分があった場合に、日本人は普通確認しようとしますが、フィリピン人は手順書に間違いがあればそれは手順書の作成者の責任という考えなので積極的には指摘しません。ただ、それは責任感が無いというわけではなく、自分が約束したことを守ろうとする姿勢は日本人と変わらないです。
1.プロジェクト全体のゴール、納期は常に共有、周知徹底する
まずは納期についての意識を持ってもらいます。守れなかった場合は残業が発生するなどの条件もつけることでより意識するようになります。日本人は「残業?まあ仕方ないですね。」程度の受け取り方だったりしますが、フィリピン人は残業を言い渡すと人生の終わりかのような受け取り方をするので効果はあります。
2.週または日単位でのゴールを自ら計画させる
プロジェクト全体のゴールのままだと、じゃあ今日どこまでやればいいのか、というイメージがしにくいので、タスクを分割します。ポイントは自ら計画させ、必ずSkypeでもスプレッドシートでも何か文字で自ら残すようにさせることで、責任を感じさせることです。
プロジェクトマネージャは可能な限り細かい単位の作業計画はエンジニア自身に委譲し、その計画の妥当性や根拠のチェック、生産性が著しく悪い作業者や手順のチェック等に注力することで、プロジェクト全体の生産性の確保をします。
nagata