最近の何件かのプロジェクトで課題管理にBacklogというツールを利用することがあり、結構使いやすかったので、課題管理ツールについて思うことをまとめます。

なんでも課題管理で

自分はプロジェクト上の課題、質問、不具合、仕様変更、仕様追加、タスク、報告事項を全てまとめて課題管理(Issue管理)として扱っています。スクラムのスプリントバックログに近いかもしれません。

過去のプロジェクトでは、不具合、質問、仕様変更は別のExcelファイルで分けて管理し、要望やバックアップ作業等のタスクは口頭やメールやSkypeでやりとりするプロジェクトもありました。どのような方法で管理するかは、お客様の社内ルールや、プロジェクトの種類、規模、体制によっても変わるかと思います。

ただ基本的な方針として情報を可能な限り一元化することで、

  • 起票から完了までの時間短縮
  • 抜け漏れの防止
  • 重要項目への注力
  • 管理工数の削減等

に効果があると考えます。

課題管理ツール一元化のイメージ

フィリピンでは

海外アウトソーシング・オフショア開発の場合、国内に比べてさらに2つの要素が加わり、コミュニケーションリスク・コストが増大します。

•依頼元と作業者の言語が違う

例えばお客様から仕様変更があった場合、お客様とプロジェクトマネージャ(またはブリッジSE)では日本語でのやりとりで、プロジェクトマネージャと作業担当者の間では英語のやりとりになり、それぞれ管理が必要で単純に2倍の管理工数がかかります。(実際には10件仕様変更があれば、技術的やコスト的な問題で実際に作業を行うのは10件ではなかったりしますが)。

そのため管理工数を減らすことの重要性はより高くなります。

また言語の違いにより、誤解や行き違いが発生するリスクも増えます。とくに口頭での指示だと日本人の不得意な発音・ヒアリングの問題、フィリピン人の不得意な文法・語彙力の問題で全然ちがうように伝わっていたりします。

まず口頭ではなく文章化、そしてできるだけ簡潔な指示を行うことで、誤解リスクが抑止できます。

お客様によっては、最初の起票から英語で行い、その分日本人ブリッジSEのコストを下げてほしいというプロジェクトもありました。今は殆どありませんが将来的にはそのパターンも増えていくかなと思います。

•文化の違い

フィリピン人は日本人に比べて、ツメが甘い、言われたことしかしないとよく言われますが、この印象は半分間違っています。フィリピン人でも出来る人は日本人よりきちんと仕事をしますし、ちゃんと言われたことと関係していることを想像して対応してくれたりします。ただ出来ない人はほんとに出来ません。

例えば、何か指示をして、その作業が終わる前に追加で別の指示を2つ以上出すと、二つ目の指示はよく忘れ去られます。また不具合一覧表とは別にチャットや口頭で指示をすると不具合一覧表のことはきっと忘れ去られます。

プロジェクトのリスク管理としては出来ない人に合わせる必要があります。全ての指示は課題一覧として一元化し、課題一覧で自分に割り振られたものだけやるという単純なルールにすることで、少なくとも漏れなどはなくなります。

次回は実際に管理ツールに求める機能と、プロジェクトで実際に利用したことのあるツールの使い勝手を紹介する予定です。

nagata