背景
限られた期間と開発コストで品質の高いWebシステムを構築するには?
輸送機器メーカーのY社では、社内技術情報ポータルサイトを通じて社内及びグループ企業の設計部門間の情報共有を行っている。
2014年には設計者同士がWebサイト上で質問の投稿や回答を行い、その内容を公開する事で設計ノウハウの共有を図るための「ものづくりFAQ機能」を新機能としてリリースする事が決まった。
同社は、限られた期間と開発コストで品質の高いWebシステムを構築するための開発パートナーとしてサイバーテックを選択。「ITアウトソーシング・デジタルBPO」サービスによるオフショア開発を依頼した。
オフショア開発・ベンダー選定の決め手
「100%日本語でのコミュニケーション」が委託先選定の決め手に
Y社は、現場の技術者からヒアリングを行い、ポータルサイトの新機能であるFAQサイトの要件を固めた。
しかし同社は、Webアプリケーションの開発を社内で実施する体制を持っておらず、外部委託が必要であった。コストの面で海外オフショア開発は魅力的であるため、かねてより機会をうかがっていたが、Y社はオフショア委託の経験がない事や、コミュニケーション面の不安から躊躇していた。
そもそもY社にとって、海外であっても要件整理から進捗管理まで、日本国内と同等レベルでの日本語ミュニケーションが可能な体制を持つことが委託先選定の必須条件であったが、日本人が全てフロントでやりとりするサイバーテックの「ITアウトソーシング・デジタルBPO」サービスがそれらを実現できることを知る。
開発体制の説明~要件ヒアリング~見積取得を経て、結果的に価格面・コミュニケーション面の条件をともにクリアしたサイバーテックにオフショア開発を依頼する事を決定した。選定の決め手となったポイントは以下の通り。
- 1. 開発初期段階から現地日本人プロジェクトマネージャとの日本語によるコミュニケーションが可能な事。
- 2. PHPなどWebアプリケーションの開発実績が豊富で技術に精通している事。
- 3. 開発費用が日本国内の企業に比べてリーズナブルであった事。
また、営業窓口であるサイバーテックの国内担当者が契約後もきめ細かく現地との調整を行うなど、顧客のサポートを行った事も契約の大きなポイントとなった。
オープンソースを使用し、安価で品質の高いWebアプリケーションを開発
開発したアプリケーションの機能
「ものづくりFAQ機能」は、Webサイト上で設計に関する質問の投稿、回答、評価、検索を行うユーザ側機能と、それらを管理するための管理者機能で構成され、日本語と英語の言語切り替えの機能も有する。
利用者機能は使い勝手やデザイン・検索性を重視、管理者側は一部phpMyAdminを用いてMySQLの管理部分を簡略化するなど、要件に対して開発工数のめりはりを付け、結果的にシンプルで開発工数を効率良く抑えることに成功した。
【開発言語・プラットフォーム】
OSはWindows Server、アプリケーションサーバーはIIS、開発言語はPHP、データベースはMySQLを使用した。
開発環境はサイバーテックセブITアウトソーシングセンターで用意し、お客様からの受け入れ検証時のみ開発サーバを公開するなど、お客様とのやり取りや確認も効率良く実施できるような工夫を取り入れた。
最初から最後まで、メールとスカイプのみで完結
工程・スケジュール
以下の流れで開発がスタートした。結果的にY社担当者とサイバーテック日本人プロジェクトマネージャは一度も顔を合わせることなく、メールやスカイプでのコミュニケーションのみで本プロジェクトを成功に導いた。
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要件定義(1カ月)
お客様が機能要件をドキュメントにまとめ、セブの日本人プロジェクトマネージャとはメールとスカイプを使用し擦り合わせを実施。コミュニケーションは全て日本語で行われた。
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開発・テスト(2カ月)
開発環境はセブITアウトソーシングセンターで用意。日本人プロジェクトマネージャは、仕様をドキュメント化し、アサインされたフィリピン人エンジニアに対して説明して開発が始まる。
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受入れ試験(1カ月)
お客様の受け入れ試験は、サイバーテックのテスト環境で実施。受け入れ試験に合格したらソースコードを納品し、お客様側で本番サーバ環境に反映を行う。
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開発管理・品質管理
サイバーテックセブITアウトソーシングセンターでは、日本人プロジェクトマネージャがフィリピン人エンジニアの開発状況をきめ細かく管理。また最終チェックは日本人プロジェクトマネージャ自身がお客様の目線で実施する。
オフショア開発・効果とその後の展開
オフショア拠点をパートナーに継続的に機能強化
同社では、ものづくりFAQ機能の初回リリース以降、利用者からの声を継続的に反映し、強化し続けていく事を決め、その機能強化の開発は、サイバーテックの「ITアウトソーシング・BPO」サービスを活用する方針である。
さらに、技術情報ポータルの他機能についてもサイバーテックのITアウトソーシング・BPO拠点を開発パートナーとして、展開を行っていく計画である。