フィリピンでは、マニラに続きセブがロックダウン
3月28日正午より、セブ市では、ECQ(Enhanced Community Quarantine)の措置が実施され、ロックダウンが始まりました。続いてセブの玄関口であるマクタンセブ国際空港があるラプラプ市が29日から、サイバーテックセブITアウトソーシングセンターがあるマンダウエは30日から同様にECQの措置が実施されています。
3月18日にセブ市内で初めて感染者が確認されて以降、コロナに対する危機感は日を追うごとに高くなっていました。夜間外出禁止令や他州からの入域制限などの規制を設けて対策が行われていましたが、ECQが実施されてからは以前よりさらに厳しい規制が設けられています。ロックダウンが始まってからセブでの生活はどのように変わったかをご紹介します。
ショッピングモールが休館
3月半ばから、レストランやBARなど、人が多く集まる飲食店は休業するところが多くなっていましたが、ECQ以降、スーパーマーケット等、薬局、病院、など人々の生活に最低限必要な施設を除くほぼすべての店が休業にすることになりました。
セブにはいくつかの大型ショッピングモールがあり、観光客や現地の人々で賑わっていました。フィリピン国内で感染者が出てからは、ショッピングモールやオフィスビルなどの人が多く集まる建物では入館するすべての人の検温とアルコール消毒を実施して感染防止に努めてきましたが、今回のECQに伴いセブ島内のすべてのショッピングモールは休館が決まりました。
現在、セブでは食品や生活必需品以外でショッピングを楽しむことはできない状態になっています。また、スーパーマーケットでは物資の買い占めを防ぐため、トイレットペーパーや消毒用アルコールに個数制限が設けられるようになりました。
外出制限が始まりQuarantine pass(外出許可証)が配布開始
今回のECQに伴い不要不急の外出を規制し、各自治体が配布したQuarantine pass(外出許可証)を持っている人のみ食品や生活用品の買い出しが可能となりました。
Quarantine passは1世帯に1枚ずつ配布され、passを持った1人だけが外出できるので、買い出しに来た人が密集するのを防ぐ目的があります。
Passを所持していても外出する際には制限があり、警察を導入して取り締まりをしています。15歳以下と65歳以上の方、妊娠中、持病などの健康リスクのある方の外出は禁止されています。また、外出可能時間が定められており、午前5時から午後10時までしか外出は認められていません。
許可された特定の職種に従事する労働者は外出が認められており、仕事のための外出であればQuarantine passを所持していなくても外出が許可されています。サイバーテックセブITアウトソーシングセンターはECQ後も感染防止に気を配りながら稼働を続けることができています。
車両にナンバーコーディング制度を導入
4月18日から車やバイクなどすべての車両を対象としたナンバーコーディング制度が始まりました。ナンバープレートの末尾の番号によって車両を使用できる曜日を制限するもので、末尾が奇数の車両は月、水、金、日に使用可能。偶数の車両は火、木、土、日に使用可能です。
Quarantine pass同様に特定の職種に従事する労働者は曜日に関係なく車両の使用が許可されているため、ECQ以前と変わらず車やバイクで出勤することが可能です。
アルコール飲料の販売、流通、消費を禁止
ECQに入ってからセブではアルコールの販売及び公共の場所での飲酒が禁止されました。スーパーマーケットやコンビニエンスストアからアルコール飲料が完全に消え、あちこちにLiquor ban(酒類禁止)の張り紙が張られています。フィリピン人はパーティーが好きな気質で、大勢で集まりお酒を飲む機会が多くあります。一時的にアルコール類を規制することで人が集まる機会を減らし感染拡大を抑える狙いがあるようです。
(Iwabuchi)