現在のフィリピンでは、マニラやセブをはじめ、BPOを中心とした多くの日系企業が進出しており、オフショアの開発地としてトップクラスの人気を誇っています。しかし、現地の人材と雇用関係を結んでいく上で注意すべき点の1つが労働に関する法律です。フィリピンでは、日本と同じように労働法によって雇用条件や賃金、社会保障等が定められていますが、今回は特に日本と相違する点について紹介します。

給与支給は月に2回が絶対!

日本では労働基準法により、毎月最低1回の支払いが義務付けられており、月に1回が一般的ですが、フィリピンでは2週間ごと(もしくは16日を超えない範囲で月に2回)と決められています。大体の企業が月半ばの15日と月末30日を支給日として設定している場合が多く、現地の従業員にとっては15日と30日が給料日となります。

ボーナスは冬だけ!会社の業績に関係なく毎年12月に支給

日本で働いていると楽しみなのが夏と冬のボーナス。日本の法律ではボーナスに関する規定は特に無く、企業の裁量によるところが大きいながらも、クレジットカードや住宅ローン等で夏と冬にボーナス払いがあるように、年に2回のボーナス支給が慣例化してきています。

一方、フィリピンでのボーナスは、労働法によって12月に支給することが定められており、一般従業員は法律によりボーナスが支給されます。フィリピンでは13ヶ月ボーナス(13th Month Pay)と言われており、1年の最後に支給される“13回目の給与”という意味合いがあります。その名の通り、従業員に支給される金額は1ヶ月分の給与とほぼ同額となり、その年の1月1日から12月31日までの間に実際に支払われた基本給を12で割った金額が支給されます。ただし、“実際に支払われた金額”なので、欠勤、遅刻、早退等で減額された分も13ヶ月ボーナスの計算対象から引かれてしまいます。よって、頻繁に休む、または遅刻・早退するような人物がいた場合、その人のボーナスは1ヶ月分の給与より低い額となってしまいます。

祝日出勤は給与UP!ダブルペイと30%ペイ

フィリピンには日本と同様、国が定めた祝日があり、1月1日の元旦、5月1日の労働者の日(Labor Day)、6月12日の独立記念日(Independence Day)など年間で18日ほど存在します。実はこれらの祝日に勤務をした場合には、法律で通常の日給の倍額、もしくは30%増しの給与を支払うように定められています。

また、祝日は2つの種類に分けられており、Regular HolidayとSpecial Non-Working Dayと区別されています。Regular Holidayはダブルペイと呼ばれており、通常の2倍の給与を、Special Non-Working Dayの場合は30%アップした給与を雇用主は支払わなければなりません。公共機関や銀行、一般的なオフィス等はこうした祝日を定休日としている場合が多いですが、ショッピングモールやレストラン、ホテル等のサービス業従事者や、現地のスケジュールで働く外資系のコールセンター等は、フィリピンの祝日も勤務にあたることが多く、その場合にはいつもより倍、あるいは3割増しの給与が支給されます。

祝日が公休の場合には目一杯お祝いや行事を楽しむことができ、出勤となった場合にも手当が支給されますので、従業員からするとどちらにしても嬉しいことですね。

お昼休憩とは別に、小休憩が必要!

フィリピンの労働時間ですが、警備員や医師など特殊な職業を除き、一般的には日本と同じように拘束時間が9時間、実働が8時間となり、60分の食事休憩があります。ところが日本と違うのが、この食事休憩以外にも5分〜15分程度の短い休憩が認められており、この小休憩は労働時間としてカウントするよう労働法で定められています。人によっては煙草を吸いにいったり、休憩室でお菓子を食べたり、家族に電話をしたりと自由に小休憩を取っており、リフレッシュすることで仕事の作業効率やサービス品質もアップしそうですね。

以上、日本とは異なるフィリピンの労働に関する法律の紹介でした。

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(Emi)