今年の旧正月(春節)は2月16日になるそうです。

カトリック教徒が大半を占めるフィリピンで旧正月?と思うかもしれませんが、フィリピンには華僑の人たちが大勢いるため、旧正月には盛大にお祝いをします。一般的なカトリック教徒は旧正月の中国のお飾り等に神秘的な気分になるようです。

フィリピン人には神秘的なデザイン

フィリピンには中国文化が結構根強く、習慣だけではなく、普段の生活においても、シュウマイ、豚まん、杏仁豆腐、お粥、お菓子など、何かしらの中国由来の食べ物を毎日食べています。

ショッピングモールにも旧正月直前になるとお飾りが並びます。

どれも「福」という文字や、「平安」といった日本人でもなるほどと意味が分かるものが多いです。また、白菜が飾りに組み込まれているものをよく見かけますが、これは「百財」と発音が似ていることから、財を成すという願いが込められているそうです。

ちなみに、旧正月には、以下を食べるそうです。

  • 魚 ― 中国語で「余」と同じ発音。余裕のある、豊かな生活になるようにという意味を持つようです。
  • 肉の赤身 ― 中国語で赤(紅)は「鴻」と同じ発音。そのことから「鴻運当頭(幸運に恵まれる)」という意味を持つようです。

また、食べ物ではないですが、こういったものも食べます。

  • 麺 ― 細長い形状とから、長生きできますようにという意味を持つようです。こちらは年末にフィリピンのカトリック教徒もお祝いで食べますが、元々は中国由来の習慣のようです。
  • 鶏肉 ― 中国語で、鶏と「吉」の発音が似ていることから、「百事大吉(すべてが吉祥)」という意味を持つようです。
  • 白菜 ― 先ほどのお飾りで説明した財を成すという意味のようです。

各ショッピングモールでは、龍や、獅子舞が披露され、大音響のドラの音が鳴り響きます。事前にチームを組んで練習しているようで、動きも本格的です。

ただ、獅子を脱ぐと、中国系の人ではなく、典型的な浅黒いフィリピン人であることが多いので、そこもできれば本格的に中国系の人にしてもらえると、もっと旧正月っぽさが出ると思うのですが...

日本の獅子舞より怖い顔?

夜間にはいたるところで、爆竹が鳴り、花火が上がります。これは大きな音を出して、悪霊等をびっくりさせて、撃退するという意味があるようです。

また、赤い袋を用意して、そこにお年玉をいれ、子供や、お世話になった人に配る習慣があるようです。日本のお年玉も、中国由来の習慣なのかもしれませんね。袋もいろいろなかわいいものから、龍をあしらった派手なものまであります。赤い袋は先ほどの食べ物と同じ意味のようです。

旧正月は中国圏の国はもちろん、タイ、シンガポール、ベトナム、マレーシアでもお祝いするようです(日本でも中華街では見られますね)。フィリピンにいながらフィリピン以外のお祝いを見られるというのもなんだか不思議な感じがしますが、得した気分にもなれます。

(Sato)