業務における現地人とのコミュニケーション

オフショア開発において重要であるのは、現地作業員の技術レベル、駐在員の有無、治安等のいろいろな要素がありますが、最も重要なカギとなるのが、現地エンジニアやオペレータとのコミュニケーションだと思います。

コミュニケーションがうまくできなければ、そもそも現地エンジニアやオペレータに作業を依頼したりすることはできません。

ただ、コミュニケーションを行う上で、言語能力は最も重要な要件ではありますが、やり方次第では、ある程度の言語能力を持っていれば、オフショア開発を行う事は十分に可能だと思います。

フィリピン現地エンジニアとのコミュニケーション

コミュニケーション方法

フィリピン人は基本的に英語が理解できるため、英語でのコミュニケーションにより、作業の指示出し等を実施しますが、実際の指示を視覚でわかりやすく、かつ認識間違いが起きないようにするために、図や、スクリーンショットをつけての指示出しを実施した方が理解は早く済みます。

ひと手間かかる作業ではありますが、口頭だけで行った場合、「そういう指示だとは思っていなかった」、「ちゃんと聞いていなかった」、「意味がよく分からなかった」という問題が起きて再度説明をすることになり、結果手戻りが発生するよりも、トータルでの時間を考えれば、手間をかけて指示出しをしたほうが作業の短縮化を図ることができます。

また、管理者の言語能力が高くとも、説明能力が低ければ、作業の回り道が発生することは否めないため、こういった工夫がどちらにしても必要になると思います。

理解しているかの確認が重要

作業員一人一人に、プレゼンテーションのような感じで、作業の背景、作業内容、期日等を他のメンバーに自身の理解の再確認も含めて説明してもらうことも効果的です。

これにより、前述の「そういう指示だとは思っていなかった」、「ちゃんと聞いていなかった」、「意味がよく分からなかった」という問題は回避することができますし、この情報が現時点では抜けているので、どうすればよいか?等の質問もこの段階で検出することができます。

プレゼンテーション形式での説明の実施

郷に入っては郷に従え

よくオフショア開発で耳にするのは、日本では当たり前なのに、どうしてフィリピン人にはできないのか?といったような意見です。これは日本人であれば、当たり前のことでも、文化や、生活習慣が異なる外国人には当たり前ではないというのを常に前提条件として持つことです。どこまでは外国人で実施可能で、どこまでを日本人が行うべきなのかという線引きをすることがとても重要だと思います。

また、発展途上国の人だからできないではなく、人によって、できる/できないはどこの国でもあるため、各作業員の性格、長所、短所もちゃんと把握し、適材適所での人員のアサインをすることも重要だと思います。

(Sato)