オスロブはセブ市の南東130kmに位置する小さな港町です。ここに2011年末くらいからジンベイザメが集まるようになり、ジンベイザメの餌付けの定着に伴い、たくさんの観光客が訪れる街に変化しつつあります。
この餌付けが始まるまでは、村には漁業以外産業の無い、静かな町でした。今ではジンベイザメに遭遇できる確率は100%と言われており、海の透明度も良く水深も浅いため初心者にもやさしい観光スポットです。また、海に潜らなくても、ボート上から餌付けを見学する事も可能です。
現在、野生のジンベイザメの「餌付け」に成功したのは世界中でも「オスロブ」だけと言われており、とても特別なスポットとして、世界中から注目を集めています。
2012年からは、オスロブ町と研究者が、ジンベイザメを含めたオスロブの環境を保護する為に、触らない、乗っからない。ライト、ストロボを照らさない、日焼け止めを塗らない等の厳格なルールを作り、しっかりと町が管理しています。(見学ツアー前に必ず見学時の注意点を説明されます。)
以前は漁師さんもジンベイザメを捕獲し、生計を立てていた事もあったそうですが、現在のフィリピンでは、ジンベイザメをはじめ大型のサメの捕獲が厳しく禁止されています。大型のサメなどを漁れなくなってしまい、生活が苦しくなってしまった漁師たちが、ジンベイザメの餌付け見学を観光資源とするようになりました。
オスロブで見学できるジンベイザメは餌付けで居着かせているのではなく、回遊コースの途中のジンベイザメに餌をあげる事により一時的に引き止めて、その間に人が観察すると言った感じです。実際には15匹程の個体が入れ替わり立ち替わりオスロブを訪れているようです。ジンベイザメにとっても危害が及ばず、また、生態系を守りつつ、観光客がジンベイザメを見る事が出来る理想的な環境だと思います。
(Sato)