ポイント3
モチベーションコントロール

もちろん給与UPが一番のモチベーションの向上ではありますが、プロジェクトには予算がありますし、モチベーションのために継続して給与を上げ続けるのは非現実的です。

明確で公平な評価制度、オフィス環境や作業に使うパソコンのスペック等、日本人エンジニアにも当てはまるモチベーションの要素はありますが、ここではフィリピン人エンジニア特有のポイントを考えたいです。

フィリピンでは仕事のストレスで自殺したという話は聞いたことはありませんが、彼氏・彼女に振られて自殺したという話はよく聞きます。フィリピン人エンジニアは日本人に比べて、気分やモチベーションの高低差が激しく、その高低差が如実に生産性に反映されやすいです。プロジェクトの生産性を高く維持するためにはモチベーションも高く維持することが効果的です。気持ちをコントロールするのはやはり一番難しいものではありますが、一つフィリピン人特有の例を下記に挙げます。

日本では上司が食事を誘ったりしても、部下はかならずしも嬉しい訳ではありませんが、フィリピンではそういう誘いがあれば全員かならず出席します。仕事を病欠で休んでいた社員も、なぜかいつの間に参加していたりします。フィリピン人にとって会社からでも上司からでも食事を奢ってもらうという事は、日本人が考えるよりも重要なことのようです。

プロジェクトとこういったイベントを絡めることで、仕事へのモチベーションを維持することが出来るでしょう。例えば、今月予定の作業が予定通りに終われば、プロジェクト経費で、皆で外食するというルールや、逆に不具合が多ければ外食は無しにするといったルールを設定することが、意外に効果があったりします。

最後に

フィリピンへの海外ITアウトソースプロジェクトでは、コストより生産性が成功するかどうかのポイントです。

今回はフィリピンで特有と思われるポイントを考えましたが、実際のプロジェクトでは、開発寄りの案件では構築するシステムに応じたフレームワークの検討、アーキテクチャーの設計、作業系案件では作業の自動化や手順の妥当性等の、国内のプロジェクトでも共通する要素はあります。

フィリピン人は生産性が悪いと決めつけないで、いかに生産性を日本人以上に上げていくかを考えていくことが重要と思います。

nagata