デスクトップ・パブリッシング(Desktop publishing)の略称。雑誌や書籍、チラシ、ポスターなどの印刷物をMacやWindowsなどのPCでデータ制作すること。制作されたデータは、DTPデータと呼ばれる。初期のコンピュータは、ディスプレイに表示された制作物をそのままの見た目でプリントすることが困難であった。

DTPの分野では、歴史的にMacintoshが多く利用されてきたが、これは当時唯一の実用的なWYSIWYGを実現したシステムであり、ハードウェアやアプリケーションソフトウェアが先行して充実していたことが理由である。しかしWYSIWYGではなく、問題が多いとされるWindowsの環境でもDTPに関するアプリケーションの対応は進み、DTPにWindowsが使用される割合も増えてきている。

DTPは1990年代前半頃から普及が始まり、パソコンやプリンタ、イメージスキャナなどの高性能化・低価格化や、フォントなどの環境の整備が進んだことにより、現在では商業出版物の編集作業のほとんどがDTPで行われるようになっている。

以前は熟練の職工が活字を組む作業が出版業界では一般であったが、コンピュータの出現・普及と共にその作業を電子化する試みが模索されるようになり、Adobe InDesign等のDTP製作ソフトが普及するようになった。DTPデザイナー等のDTP専門家により、デザイン、版下作成、製版などの各作業工程をすべて一人で行う事が可能になった。

近年では、DTPデータはレガシーなものとして位置づけられることもある。理由としては、近年様々な情報端末が普及しているために紙離れが進み、過去のDTP資産をWebサイトへ展開する需要が高まっているためである。