5月1日はレイバーデイ(労働者の日)のため、フィリピンの学校、行政、企業はほとんどがお休みとなります。レイバーデイは世界80ヵ国以上で祝日と定められているようです。セブITアウトソーシングセンターも毎年この日はお休みとなります。

レイバーデイのパレード

なぜ5月1日がレイバーデイとして定められているかは、当時1日12時間~14時間労働が当たり前であったアメリカで、1886年5月1日にシカゴを中心に労働者が「8時間労働制」を求めるストライキとデモを起こしたのが起源であるといわれています。

その後、1894年に車両会社の組合員が、労働者に解雇や低賃金・長時間労働を課した経営者に抗議する暴動を起こし、当時のクリーブランド大統領が連邦軍を投入して鎮圧したものの、多くの労働者が犠牲になる事件が発生しました。

これを受け、レイバーデイを正式にアメリカの祝日にする法案が可決され、1894年に9月の第1月曜日がレイバーデイとして公式な祝日になったのです。

レイバーデイの起源となったシカゴのストライキの3日後に、ヘイマーケット事件と呼ばれる大きな暴動に発展してしまったこともあり、アメリカでは5月1日は避け、9月1日をレイバーデイとしたようです。なぜ起源となった5月1日の方がレイバーデイとして世界中で祝日となっているかはわかりません。

フィリピンでは、毎年5月1日になると、デモが行われ、事前に新聞等で告知があります。

昨年もフィリピン労働組合会議(ALU-TUCP)が政府に対し、マニラ首都圏の最低賃金を引き上げるよう要請するデモを起こしました。

デモ行進

ただし、要請が受け入れられるか否かは未知数のようです。昨年、ALU-TUCPは最低賃金の引き上げを要請したものの、労働省に却下されました。引き上げがインフレを加速させ、結果的に50万人の雇用が失われる恐れがあるというのが理由のようです。

また、労働者側は政府に対し、地域ごとではなく全国一律の最低賃金を設定するよう求めており、ドゥテルテ大統領は全国一律の最低賃金導入に前向きな姿勢を示してるようです。

地方と首都圏の最低賃金の差がなくなれば、首都圏の人口過密を軽減できるとの考えのようでなので、もし実現されれば、セブ周辺の島々でも、首都マニラに出稼ぎに行く若者も多いため、マニラへわざわざ行かなくとも、セブでも同じ賃金となれば、セブへ行こうという人が大幅に増えることにつながるので、ITアウトソーシングの労働力もより増えるのではないでしょうか。

いつもはテレビのニュースで何気なく見ている5月1日のデモも、こういった形でセブに関係することがあり得るので、今年はもう少し真剣に見てみようかなと思いました。

基本的にデモの賃金引上げ等の対象となるのは、製造業等の場合が多いようですので、ITアウトソーシング・オフショア開発などのIT関連サービスには、他社も含め毎年影響はほとんどありません。

(Sato)