ホーリーウィーク(アメリカでは一般的にイースターと呼んでいます)とは、3月末から4月初旬の木曜日~日曜日の4日間に行われるキリストの復活を祝うお祭りの事を指します。木曜日(最後の晩餐)、金曜日(キリスト処刑の日)、土曜日(喪に服す日)、そして日曜日は復活を祝う日として連休となります(今年は3月25日~3月30日まで)。

ホーリーウィークはカトリック教会へ

フィリピンでは、このホーリーウィーク期間中はほとんどの企業、全ての政府機関、全ての学校がお休みとなり、町がシーンとします(教会周辺はにぎわっています)。また、ショッピングモールや、スーパーもしまっているので、観光でお越しの方は注意が必要です(せっかく来ても、観光スポットでさえも全て閉まっています)。カトリック教徒の習慣や、宗教的な背景等を知りたいのであれば、いい機会かもしれません。

フィリピン人にとっては、ホーリーウィークはクリスマスや、諸聖人の日よりも重要な聖週間となります。特に金曜日のグッドフライデーはキリストが処刑された日であり、実際に同じ苦しみを味わおうと有刺鉄線でできた冠をかぶったり、実際にキリストと同じように、手、足にくぎを打たれ、十字架にはりつけになる人もいます。こういった行為を行う人は貧困層の人が多く、何とか同じ苦しみを味わう事で、少しでもキリストに近づき、貧困から解放されたいというような気持の表れのようです(昔はこのような自傷行為が原因で破傷風にかかって、亡くなってしまう方もいたようです)。

なぜこの日をグッドフライデーというのか?と思った方もいるかもしれません。キリストが処刑された日であれば、グッドではなく、バッドフライデーという名前でもおかしくないと思います。

ホーリーウィーク中は毎日ミサが行われます。

これはいろいろな説がありますが、もともとは「ゴッズ・フライデー(God’s Friday)」とされていたのが次第に変化したという説や、フィリピンでは一般的にはイエス・キリストはすべての人々の罪を背負い、人々の身代わりとなって死を迎えたとされ、つまりこの金曜日は、救世主キリストが死によって人類への愛を示し、祝福を捧げた日であり、またキリストが死を迎えた金曜日は、『復活』を導いた良き日と解釈され、グッドフライデーと呼ばれるようになったといわれています。

アメリカでは町中で一大イベントしてとらえ、イースターエッグを作ったりするような明るいイメージですが、フィリピンでは逆に神聖な日ととらえ、家族でゆったりするようなイメージです。いつもお気楽で、ゲラゲラ笑っているイメージのフィリピン人ですが、たまにはこういった真剣な日があってもいいかもしれませんね。

(Sato)