前回は、海外ITアウトソーシングプロジェクトにおいて、課題管理を一元化して管理するときに利用するツールに求める機能について書きました。

今回は私が実際に使ったことがあるツールについて、それぞれ評価していきます。

課題管理ツールとしての各ツールの評価

•MS Excel

日本のSIerでは昔から結構使われているかと思います。実際私が参加した日本でのプロジェクトでExcelを不具合管理や質問管理として使っている場合がほとんどでした。時期的に他のWEB系のツールの完成度がまだ高くなかったため他に選択肢が無かったからかもしれません。

入力のしやすさや項目の自由度など、基本的には使いやすいです。ただ1つの課題に対してコメントのやりとりを行う場合や、完了・未完了を簡単に切り替える等の課題管理に必要な操作は専用のツールには劣ります。

Excelの最大の問題点は、ローカルファイルになるので複数ユーザが同時更新出来ない点です。共有するにもメールやファイル共有等なんらかの方法でやりとりする必要があります。最新版の管理もファイル命名ルール(ファイル名に日付やバージョンを入れる)等を決めて、手動で行う必要があります。

またフィリピンでは人件費に比べて、MSOfficeの価格が比較的高くなってしまうので、必要がなければそもそもラインセンス自体を購入しません。

ネットワークが安定しない環境や、セキュリティ上の理由でインターネットに接続できない環境で作業する場合には、ローカルで更新管理できるという利点はありますが、海外アウトソースする場合にはあまりそのような環境はないかと思います。

•Google Spreadsheets

データはGoogleのサーバ上に保存され、複数ユーザが同時に更新しても最新状態や履歴が自動的に保存されるので、Excelの最大の問題点である、最新版管理が解決されます。

最近では使いやすさもExcelと同レベルまで改善され、関数、個別フィルタ、画像埋め込み等Excelを機能的に上回っている部分もあります。ネット常時接続環境ならExcelをわざわざ使う必要はないでしょう。

Excelと同様に1課題、1行という使い方になるので、課題が100件未満で、各課題にコメント等不要なシンプルなプロジェクトであれば使えるでしょう。

•Backlog

Backlogは課題管理にフォーカスしたWEBプロジェクト管理ツールです。あるプロジェクトで試しに使ってみたら、後述するGithub, Gitlabに比べて課題管理にフォーカスしている分シンプルな画面で、初めて使う担当者もさくさく使えていました。

課題1件に対して、コメントやファイル添付等が可能なので、一つの課題でコメントのやりとりが何回も発生しても時系列で追えるので、誤解や行き違いを防ぎやすくなります。

また課題が更新されたらメールやWEBサイト上での通知機能があるので、レスポンスも速くなります。

ソース管理が発生しないけども、課題はきっちり管理したいような、データ変換やデータ入力系プロジェクト、またはITプロジェクトに慣れていないエンドユーザと直接やりとりするようなプロジェクトではこのツールを選択しています。

•GitHub/GitLab

GitHub/GitLabはソース管理ソフトGitのリモートレポジトリ機能をWEBで提供しているサービスです。その機能の一つにISSUE管理機能(課題管理)があります。

課題管理部分の機能的にはBacklogとほぼ同じですが、Backlogに比べて元々ソース管理がメインのサービスなので、課題管理として使うには慣れていない人にはわかりにくい部分もあります。

ただ多くの開発環境ではGithub/GitLabに対応しているので、ソース管理が必要なプロジェクトではこのサービスを使い、またソースのバージョンアップと課題管理は連携させるべきなので、課題管理もこのサービス上で行っています。(バージョンアップ時にどの不具合が対応されたかリンクされる等の機能が必要)

•Redmine

Redmineはプロジェクト管理オープンソフトウェアで機能的にはガントチャートやバーンダウンチャートなど、より進捗管理系の機能が充実しています。各課題やタスクはチケットという単位で管理されます。

WEBサービスではなく、自分でサーバを立ててインストールする必要があるので、WEBサービスとして提供されている他のツールに比べて、ITの知識が必要です。

プロジェクトの規模が大きく、初期工数がある程度とれるプロジェクトの場合には、Readmineのカスタマイズやアドインで最適化させ、全体の管理を効率化させるという選択もありかもしれません。

まとめ

現在私が関わるプロジェクトではBacklogかGitLabを使っています。ただWEBサービス系のツールはバージョンアップが定期的にあり、以前は使いづらかったツールがバージョンアップで使いやすくなったり、新しいサービスが始まっていたりします。余裕のあるプロジェクト等で随時試したりして、将来のプロジェクト開始時、プロジェクトの種類に応じて最適なコミュニケーションがとれるようにしていきたいです。

nagata